じゅげむ

遊戯会でさくら組が取り組んだ「じゅげむ」。子どもたちの記憶力には目を見張るものがありました。「じゅげむ」は「寿限無」、反対から読むと「無限の寿命」(仏教の「無量寿・むりょうじゅ」に由来)、もともとは仏様の「いのちのとらえ方」として、「いのちは本来、豊かであり、ダイナミックであり、永遠なるものとしてある」ということを表現した言葉です。

「寿限無・寿限無、ごこうのすりきれ」と続きますが、「五劫の擦り切れ」とは、これも仏様が、迷いの深い人間を救うためにかかった時間を「五劫」という長い長い時間の単位で表します。「一劫」は、40里(約160キロメートル)四方の岩があって、3年に一度、天女が身にまとったやわらかな羽衣で岩の全体を撫でる。その羽衣の摩擦で、岩が擦り切れてなくなってしまうまでにかかった時間を「一劫」と名付けます。×5倍で「五劫の擦り切れ」と言うのです。途方もない話ですね。

実はこの途方もない話の中にも、私たちが生きるための知恵が表されているのです。意味は分からなくても、まずは聞いたり憶えたり。

これまで長い歴史の中で大事に受け継がれてきた人類のすぐれた知恵を、いつの日か子どもたちにも受け取って欲しいと思います                                          

園長 西村達也